2020.07.0380 views

視点の採集: 自然のグラフィックを見つけにいこう

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三澤 遥

デザイナー

「葉っぱを描いてみましょう」と絵を描いてもらうと、緑色の絵の具やクレヨンを手に取る人が多いのではないでしょうか。葉っぱはどんな色をしているでしょう。実際に植物を観察すると、言葉では表せないほど色や質感が豊かです。同じ木に生えた葉っぱも、一枚いちまい色が異なりますし、葉脈のかたちも、虫食いのかたちだって違います。

今回は葉っぱを丸くくりぬき、「葉っぱカラーチャート」と「葉っぱグラフィック」をつくりましょう。葉っぱのかたちが丸く統一されたことで、色の美しさや柄の面白さがより一層目に鮮やかに見えてきます。知っていると思い込んでいる葉っぱが、びっくりするくらい美しく思えたり、なんだか別のテクスチャに見えてきたり、知らない存在に思えてきたり・・・、身近なところに潜む感動をきっと発見できるはずです。

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READY
準備するもの
  • クラフトパンチ

  • (直径2.5cm程度の丸型を使用。ほかのサイズでもOK)

  • ビニール袋やケース

  • (採集した葉っぱや丸くくり抜いた葉っぱを容れるもの)

  • 板紙や木板

  • (丸くくり抜いた葉っぱを並べる平板)

  • テープ

  • (屋外で作業する場合、風が強いときは用意しましょう)

  • スマートフォン、カメラ機能付きタブレット、カメラ

  • (記録用)

STEP 1

葉っぱを採集してみよう

  • ? 六本木未来会議

葉っぱを見つけに出かけましょう。雑木林に。森に。川原に。近くの公園に。家の庭に。道路脇に。場所は問いません。葉っぱを採集し、ビニール袋に集めてみましょう。

黄色、橙色、焦茶色、赤色、黒色、白色。まずは色に注目して葉っぱを探してみましょう。意識的に葉の色だけに着目すると、いつもよりいろんな色が見えきます。柄にもぜひ注目を。しましま、水玉、まだら、斑点、2トーン。同じ木に生えた葉っぱでも、様々な模様があるのが分かるでしょう。厚みも違うし、硬さも違う。表と裏の質感が違う。よく観察すると、どの葉っぱもみんな個性がある。実際に採取してみることでわかる発見があるはずです。

STEP 2

葉っぱを丸いパーツに切り抜こう

採集した葉っぱをクラフトパンチに挟み、丸くくり抜きます。薄すぎる繊細な葉や、乾燥してうねりのあるような葉は穴あけ加工が難しいかもしれません。クラフトパンチが壊れる原因になりますので、あまり無理せず、挟むことのできる厚みを選んで抜き取りましょう。クラフトパンチの裏側から見て、丸い刃から葉っぱがずれていないかを確認してから抜くと確実に綺麗な丸がつくれます。丸くくり抜いた葉は風で飛んでいかぬよう、袋やケースに入れておきましょう。くり抜いた丸い葉もくり抜き終わったあとの穴の開いた葉っぱも、このあと使用するので捨てずに集めておきます。

POINT

クラフトパンチの刃が錆びないよう、葉っぱの水滴をしっかり拭き取ってから、パンチをご使用ください。パンチが濡れてしまった場合、使用後に布やティッシュでよく拭きましょう。

STEP 3

丸い葉っぱを観察しよう

陶磁器のような葉っぱの丸。ニスをテカテカに塗ったかのような葉っぱの丸。網目模様の葉っぱの丸。真っ黒くろの葉っぱの丸。チカチカした色を放つ葉っぱの丸。葉っぱの輪郭がなくなり丸く統一された途端、色や模様、質感がより鮮明に見えてきます。さて、どんな葉っぱの丸が見つかりましたか?

STEP 4

丸い葉っぱを並べて、カラーチャートをつくろう

  • ? 六本木未来会議

「葉っぱカラーチャート」をつくります。
丸い葉っぱを板紙(または木板など平らなボード)の上に並べていきます。屋外で風が強い場合、テープで一枚ずつ貼っていくとよいです。赤っぽい葉っぱのグループ、黄色っぽい葉っぱのグループ、緑っぽい葉っぱのグループ等など、色ごとにグループ化して並べてみたり、虹色のようにグラデーションに並べてみたり。柄と無地のグループで分けてみたりしても面白いかもしれません。並べ方のルールは自由です。丸くくりぬいた葉っぱの色チップは、他にどこにもない唯一無二のもの。世界でひとつの自分だけのカラーチャートをつくってみましょう。面白いチャートが完成したら、カメラなどで記録しましょう。

POINT

風が強くなってきたら、せっかく丸くくり抜いた葉っぱの丸が吹き飛んでしまうかもしれません。風がある場所ではテープで平板に留めるようにしましょう。

STEP 5

丸く抜いた葉っぱの穴に、別の葉っぱの丸をはめてみよう

[ 葉っぱグラフィック ]をつくります。
次は、くり抜いた丸い葉と丸く穴の開いた葉っぱを用意します。別の葉っぱと丸い葉を入れ替えてみましょう。葉っぱのパーツとパーツを組み合わせて、自分だけの「自然のグラフィック」を見つけてみましょう。
時間が経過すると摘んだ葉っぱの場合は乾燥して萎れてしまいます。面白い組み合わせができましたら、カメラなどで撮影し、ぜひ写真に残しましょう。

STEP 6

『やった!レポ』に投稿しよう

[ 葉っぱグラフィック ]を作ったら、ぜひ『やった!レポ』に投稿して、体験をシェアしませんか? 感想は「コメント」に記入してください。

MATOME
まとめ

今回のワークショップは葉っぱを丸くくり抜くだけ。たったそれだけで、地面に落ちている葉っぱを見ているだけでは気づかないような、色や柄や質感の違いがはっきり見えてきます。
一枚いちまい、すべての葉っぱには違いがあり、同じものはないという当然の事実。ただ木々に揺れる葉たちを眺めていても、そのことに目がいきません。そのことを体感できるワークショップです。「自分が手に取った一枚の葉っぱと全く同じものは存在しない。」そう思って草木を眺めているだけで、すこしワクワクしてきませんか?面白いことはすぐ近くで発見できます。外に出かけて葉っぱを採集し、丸くくり抜くだけ。たったそれだけのことですが、地面に落ちている葉っぱを見るだけでは気づかなかった色や柄や質感の違いがはっきりと見えてきます。色の鮮やかさに、きっとハッとするはずです。自分は身近にある葉っぱのもつ美しさを分かっていなかった、と。
自分たちの身近なところでも喜びや感動を見つけることはできます。葉っぱを丸くくりぬいてみることをきっかけに、身の回りの見方がもしかしたらちょっと変わるかもしれません。

※ワークショップ「視点の採集」は、ウェブマガジン六本木未来会議アイデア実現プロジェクト「森の学校2019」にて実施しました。
https://6mirai.tokyo-midtown.com/project/pjt04_03_01/

GROW CHART
成長スコアチャート
野性3
4知性
5感性
アクティビティ
探す
環境
山 ・ 森 ・ 街 ・ 公園 ・ その他
季節
春 ・ 夏 ・ 秋 ・ 冬
所要時間
1時間~3時間
対象年齢
4才以上(保護者同伴)
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